今回は、前回に引き続き移動平均線の種類についてまとめる試みです。
平滑移動平均線(SMMA: Smoothed Moving Average )
前回の記事でSMAには以下の2つのデメリットがあることを解説しました。
①期間内の値の重要度が同じの為、直近の値動きに敏感に反応できない
②期間の値動きしか基準にしていないため、参考にならない動き方になる事がある
↑この2つのうち、WMAでは『期間の値動きしか基準にしていない』というデメリットが解消できていません。
それを解消できるのがこの平滑移動平均線(SMMA)です。
SMMAの計算式は以下の通りです。
SMMA = (1本前のSMMA×(期間ー1)+現在の終値)/期間
5SMMAの場合、イメージはこういった感じになります↓。
計算式に1本前の値が入っているから指定期間外のこれまでの値も基準となっています。ただ、このSMMAだと直近の値動きに敏感に追従しにくい問題があります。
この問題を踏まえて、更に改良されたMAがあります。
指数平滑移動平均線(EMA:Exponential Moving Average)
続いてはEMAです。
EMAの計算式はこちらです↓。
EMA = (1本前のEMA×(期間ー1)+現在の終値×2)/(期間+1)
SMMAと同じく、計算式に1本前のEMAが使われており、更に現在の価格を重要視されています。
現在の終値を2倍して重要視しているね
EMAは上記に挙げているSMAの2つのデメリットを解消できています。
どの移動平均線が一番良いのか?
今回と前回で合わせて計4つのMAを上げました。
他にもいろんな種類の移動平均線はありますがなぜこの4つのMAなのかというと、デフォルトでMT4に入っているMAがこの4つだからです。
4つのMAに関して調べてみましたが、重要なのは一体どのMAが一番使えるのか、という点です。
4つのMAを並べてみました↓。
たしかに今回のサンプルではあまり違いが分からなかったですね。
それぞれのMAの特徴(メリット)を挙げると、
SMA・・・計算方法がシンプルで考えやすい
WMA・・・新しい価格データを最重要視しているので価格を追いやすい
SMMA・・・すべての価格データを含めて考える事ができる
EMA・・・すべての価格データを含み、直近の価格を重視しているので価格も追いやすい
↑といったところが主な特徴かなと思います。
日本ではSMAが分かりやすくて一番人気らしいです。
海外ではEMAが一番人気らしいです。MAと言ったらEMAというくらい浸透しているとのことでした。
あとはどういったデータが欲しいかによって使い分けるのかなぁと思いました。
価格変動に対しての追従性が必要ない場合はSMA、SMMAを選ぶ
ダマシのリスクを負ってでも価格を追従したい場合はWMA
全ての価格データを包括的に見て、かつ価格の追従性もバランスよく見たい場合はEMA
↑などといったように使い分ける事ができそうです。
とはいうものの、どれが一番いいのかという思いから今回調べ始めた部分もあるので、一応1位を決めたいと思います。
僕は特に特別な思惑が無いのであればEMAにしておけば問題ないと思いました。
SMAのデメリットが解消できており、一番バランスが良いと思います。
実際、今回調べていても『SMAよりEMA!!』というサイトばかりでその2つの比較がほとんどでした。
『WMA・SSMAがおすすめ!!』なんて書いてるサイトは少なくとも僕が見た限りでは無かったです。
しかし中にはどれでもいいと書いてあるサイトもありました。
個人的におすすめはEMAですが、バックテストをとってみると、どれを使っても勝率に大きな差はでないかなとは思います。